ご入場有り難う御座います、彼方は です
12月28日~1月1日 冬の剣岳の天気を知ることも目的として、エミと共に早月尾根から登ることにした。冬の北アルプスは、高気圧に覆われるだけでなく、日本海の筋状雲が消える(=寒気が弱まる)ことが大事で、うまくアタックチャンスに当てられるかどうか、試してみた。ただ、偏西風の流れが速いので、好天気の時間が短く、好天気の中、余裕を持ったアタックは難しいと思っていた。

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 停滞が生じる流れだったので、出発を一日遅らせた。28日の朝、夜行バスを富山で降りて、上市駅からタクシーで伊折ゲートへ移動。ラッセル混じりの6kmの林道を3時間半で歩きをして、馬場島に到着した。積雪は約50cmと少ない。警備隊からヤマタンを受け取り、昼過ぎから早月尾根に取り付いた。朝に出たパーティのトレースが残っていたから、少しは楽だった。2時間半で、松尾平まで登り、テントを張った。

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 29日 午前中なら好天気であっても、寒冷前線が近付くことから、アタックのリスクを感じて、勝負するつもりはなかった。案のじょう、朝の好天がうそのように午後から雪が降り出して来た。早月小屋までの登りが長く、トレースに助けられたとはいえ、トレーニング不足の影響があり、13時30分ごろに早月小屋に着いた頃には、疲れてしまった。吹雪の中、ちょうど整地された雪面があり、ありがたくテントを張って、ブロックを積んだ。雪の降りに勢いがあり、寝る前と夜中に除雪しなければならかった。

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 30日 午後から回復することは分かっていても、風の強さを考慮して、停滞と決めた。朝は吹雪でも、日本海の筋状雲の大陸からの離岸距離が大きくなってきた。早月尾根はアンテナが立つから、スマホから気象情報を手に入れやすい。午後から晴れ上がり、奥大日岳や日本海が見渡せるほど、視界が良くなった。この天気が明日も続いて欲しいと思うが、気圧の谷が通過することが気になる。冬型が緩むという割には、雲が多いのではないか、と感じた。

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 31日 筋状雲が衛星画像に写っていた。少しぐらい天気が悪くても、アタックすることにした。5時半に出発して、ヘッドライトを頼りに早月尾根を登り続けた。雲の中に入ると、視界が悪い。おまけに、気温がマイナス14度で、風速が7~8メートルあるから、寒くてあまり長く止まっていられない。学生たちに追い付き、先に行くと、腰までのラッセルが待っていた。まだこの年末は誰も登っていないから、トレースは期待できない。獅子岩周辺では、視界が悪くてルートがよくわからず、学生たちと探した。稜線上は険しい。夏道っぽい雪のわずかな窪みを見つけて、ロープを出して進んでみると、雪の先にクサリが出ていた。先に進める見通しが立って、ホッとした。

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 カニノハサミのルンゼは、雪が詰まっていて登りやすく、別山尾根との分岐を経て、12時30分に頂上に着いた。社の屋根だけ出ていた。雪の上にいるから、3000mということになるのだろう。しかし、マイナス14度の寒さと視界の悪さから、頂上でくつろぐ気が起きず、5分ほどの下山を開始した。出発時から脱いだ服がないどころか、途中で一枚追加したくらいだった。途中のわかりにくい箇所では、他のパーティと協力し合って、ルートを探したりして、16時30分に早月小屋に戻ることが出来た。身心共、ハードなアタックだった。しかし、登れた喜びから、気持ちは軽かったし、明日下山出来ると思うと、嬉しかった。今日アタックした他のパーティと共に登れたという、印象だった。大なり小なり、助け合えたからであろうか。

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IMG_3038.jpg 雷鳥

 1月1日 まだ暗い6時に、テントをたたんで出発した。雪が降っているけど、夜中に除雪するほどではなかった。また、昨日に比べると、10度近く暖かかった。約3時間で馬場島へ降り、警備隊に報告を済ませて、タクシーを予約した。往きに比べると、伊折ゲートまでの道路は雪上車によってならされており、ラッセルは皆無だった。2時間でゲートに着いて、暫くすると、タクシーがやって来た。ゲート周辺の雪が多いから、伊折集落まで歩くつもりであっただけにラッキーだった。

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 午後になると、晴れ間が出て来て、剣岳の山頂が姿を現してきた。元旦の影響で、日帰り入浴施設が休みの所が多く、不二越駅の隣にある、「満天の湯」を探し当てた。風呂から出ると、薬師岳から剣岳まで白銀の姿を現していた。新幹線の車窓から眺めると、充実感を持てることができた。かがやきに乗ったので、大宮駅まで2時間掛からず、自宅には20時前に帰れた。1日の方が天気がマシだったかもしれなかったけど、チャンスがある時に動いて良かったと思う。

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2017.01.03 / Top↑
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